代診のドクター
毎年7月から10月の間にわたなべ整形外科のスタッフは、交代で夏休みを取ります。平成元年の開業以来、当院はお盆休みなしで通常通りの診療を行っている関係で、スタッフの夏休みは8月に集中することなく、適度に分散して取られています。私と福先生も毎年この時期、1週間ずつ夏休みを取らせていただいております。医療機関によっては、ドクター休診の際、研修会出席の為とか学会出張の為とか、色々苦しい言い訳をしている施設もありますが、当院では私の方針で、患者さんに正直にお伝えし、休みをいただいております。
さて我々が交代で夏休みを取る際は、毎年東京の慶応義塾大学から代診のドクターを招聘しております。この際どんなドクターが来てもいいという訳には行きません。当院に通院されている患者さんはドクターを見る目が肥えているので、ただ医師免許を持っているというだけでは当院の代診は務まりません。医療水準の高い優秀なドクターという事は大前提、さらに重要な資質はハートフルで優しく、患者さんの訴えに根気よく耳を傾け、丁寧に説明をしてくれる親切なお医者さんということです。こういう厳しい条件をクリアした若き医師たちが、今年も我々の代診を務めてくれましたが、患者さんからはかなりの高評価をいただけたようです。またドクターの選考基準には、特に容姿端麗という項目は設けていないのですが、時にはかなりなイケメンの先生が来ることもあり、患者さんだけでなく当院スタッフ達からも、今年はどんな先生が来るのかなあと熱い期待が寄せられているようです。
患者さんの中には、「なんだ、今日は院長いないのか」などと言って、リハビリもせずに帰ってしまう方もいらっしゃいますが、私としてはかなり苦労して選抜した、選りすぐりのドクター達をお呼びしておりますので、いつもと違った視点から自分の患っている疾患を診てもらえるラッキーチャンスとして捉え、今後はもっと積極的に代診のドクターの診察を受けていただければ幸いです。
また毎週土曜日には、リウマチ内科、循環器内科、手の外科、膝の外科など、それぞれ学会のシンポジストとして活躍されているレベルのドクター達を当院にお招きし、患者さんの診察をしていただいておりますが、これは足利市民として大きな幸せであり、皆さんにはもっと積極的にこの機会を活用していただきたいと思います。この際、彼らとの情報交換を通じて最先端の医療を肌で感じ、学習する機会が得られることは、地方都市に住む一開業医として、個人的にとても大きな刺激であり、喜びでもあると考え、この幸せを噛みしめ日々感謝しております。