わたなべ整形外科関連

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2012年04月27日

地域における開業医の立ち位置

開業して23年目も半ばを迎えようとしておりますが、当院外来には開院以来通院されている患者さんもたくさんいらっしゃいます。

「あんた、私より先に逝っちゃだめだよ!」
「死ぬまで頼むね!」
「あんたの顔を見ると痛みが吹っ飛ぶよ!」

毎日さまざまなストレートな言葉をいただきますが、さすがに外来で長い期間接していると、どの患者さんも他人のような気がしなくなって来ています。

また、幼稚園児の頃来院した患者さんが、今度は自分の子供を連れて来るケースも増えて来ました。夫婦で来院などは当たり前、親子三代に亘っていらしている患者さんもよくお見受けします。

個々の患者さんの、病歴は言うに及ばず、問わず語りの中で家庭の事情までもいつの間にか知る所となり、最近の自分は既に、いわゆるホームドクターの領域に足を踏み入れているなと感じております。

こんな中、待合室で待っている間に、リハビリ中に、あるいは診察中に、体のさまざまな機能の衰えから急変する方も出て来ております。

私の基本的な考え方として、当院に治療を目的として来院された患者さんに対しては、整形外科領域という狭視野なとらえ方ではなく、社会的背景を持った1人の人間として敬意を表し、その健康状態全般に対して関心を持ち、健康をトータルにサポートしたいと考えております。

来院された患者さんの血圧を測定する事はその第一歩、簡単な検査ですがその日の体調を知る上でとても貴重な情報が得られ、リハビリ治療やブロック注射に伴うリスクを最小限に減らすことが出来ます。

患者さんの中には内科の先生に気兼ねして血圧測定を拒否される方もいらっしゃいますが、これは患者さんに私の真意が伝わらず、心から信頼されていない結果ではないかと深く反省しております。

また、お薬を処方している方に対して、大体3ヶ月に一回位、血液検査をお願いしておりますが、これはお薬の効き具合や、副作用が出ていないかなどのチェックをする為に最低限必要なものであり、ご自身の為でもありますので是非協力していただきたいと思います。

1人の町医者として足利市における自分の立ち位置を考えた時、それはホームドクターとして、

来院された一人一人の患者さんの話にしっかりと耳を傾け、説得力を持って希望を与え続け、かみ砕いた、素人の人にも分かりやすい言葉で、簡潔に病状の説明ができる事

  であり、これからもこの方針で地道に努力して行こうと考えております。