「街路樹の悲哀」
2024年9月12日午後、悲しい事件が発生しました。
足利市寿町わたなべ整形外科東側の銀杏の街路樹が、突然根元から切り倒されたのです。足利市側からは何の事前通告もなく、福寿大橋北側の南北の道路に植えられた樹齢何十年という立派な銀杏の街路樹が高さ10㎝程の痛々しい切り株を残して姿を消しました。これは一部誤解されている方もいらっしゃるようですが、ビッグモーター事件と違って当院の建物が目立つようにという意図で、私が足利市に依頼して伐採してもらったというものではありません。さて伐採後も市側から何の説明もないので9月24日担当部署に問い合わせたところ、中橋架け替え工事に伴って発生が予想される福寿大橋北側の渋滞対策が目的であるとの由。さらには銀杏の枝が車の走行の邪魔にならないように、また車からの視界を広げることで幼児の交通事故被害を減らすなど、まったく説得力のない言い訳でこの樹齢30数年の立派な街路樹達は いとも簡単に根こそぎ伐採されてしまったようです。この決定を下した担当者に対しては怒りを通り越してただ呆れるばかりです。車の走行の邪魔になるというのであれば、中橋架け替えに要する3年半の間だけ、道路にはみ出した部分の枝を年に何回か剪定するという発想がこの担当者には無かったようです。
この背景には足利市の厳しい財政状況があり、街路樹のメンテナンスへの支出をゼロにするという意図が見え隠れします。メンテのお金が無いというのであれば、いきなり根元から切り倒すのではなく、有志のボランティアを募って枝の剪定作業に協力してもらうとか、それ以外にも様々なアイディアを募集するということは出来なかったのでしょうか。つい先日、テレビの全国放送で何回も繰り返し放送され恥ずかしい思いをしましたが、袋川の桜の木伐採問題に続き、足利市はまたしても理解不能な暴挙に出たという感じがします。折しも東京では神宮外苑銀杏並木伐採に関する熱い議論が戦わされていますが、足利市では議論の俎上に載ることも無く、いきなり伐採されてしまいました。市民不在の行政が粛々と実行されているという印象を受けました。繰り返しお伝えしますが、四季折々、市民に癒しを与えてくれていた素晴らしい銀杏の街路樹が、何の事前通告もなく伐採されてしまいました。突然伐採された銀杏たちの無念を思うと胸が痛みます。 2024.9.30