足利花火大会と桐生八木節まつり
2024年8月3日(土)、今年も足利花火大会を見物しました。毎年前日の夕方、当院スタッフが大会本部席付近の土手に少し大きめのビニールシートを敷いて場所取りをし、ここに仲間が集まり寝転んで目の前で繰り広げられる花火を堪能するというイベントです。以前一度だけ桟敷席で見物したことがありましたが、あまりの居心地の悪さに耐えられず翌年からはまた元のビニールシートでの見物に戻りました。今年も花火の出来栄えはとても素晴らしいもので、ドドーン、パリパリという音を体全体(特にお腹)で受け止め、眼前に広がる眩いばかりの、宝石を撒き散らしたようなパノラマに酔いしれました。 翌8月4日はお隣の街で開催される桐生八木節祭りに、友人ファミリーと2家族で行って来ましたが、初めて参加した私にとってこの祭りはかなり衝撃的な体験でした。15年前に足利から桐生に移住した友人の案内で祭り会場へ侵入しましたが、そのあまりの盛り上がりに終始圧倒され続けました。大きな櫓が何ヶ所も、封鎖された道路中央に聳え立ち、その上に陣取った演者達が笛や太鼓の伴奏を行い、これに合わせて5分位?の間隔で歌い手が次々に交代しながら大声を張り上げ八木節を歌い続けます。その櫓の周りには大勢の大衆踊り手が群がり、5〜10人位の小集団で円を構成し、この集団がまるで風車のようにグルグルと同じステップを踏みながら踊り回るという光景でした。途中から土砂降りの雨に見舞われましたが、この踊る集団はまったく意に介さずお囃子に合わせて、まるでトランス状態に陥ったように踊り続けていました。これだけ市民を熱狂させる演出には、ただただ感動し頭の下がる思いがしました。1964年に始まったこの祭りを体験して一番強く感じたことは、まさに市民参加型の祭りであり、市民が本当に一つになって心から祭りを楽しんでいるという事でした。さらに感じたことは、この街には昭和の原風景が残っており、古き良き時代のコミュニティーがしっかりと機能しているなということ。隣近所がとても親しく交流している為、近所のおじさん、おばさん達が楽しみながら子育て支援してくれる、災害にも強い街という印象を受けました。足利と桐生、二つの街の一大イベントを2日間に亘って体験した印象としては、足利の花火大会は有料席が例年に比べて激増しており、花火自体は素晴らしかったのですが、如何にも利益を優先したイベントであり、河原や土手にシートを敷いてのんびり花火を楽しみたいという庶民のささやかな楽しみを奪ってしまっていると感じました。一方の桐生祭りは完璧な市民ファースト、市民参加型のイベントであり、普段はシャッター通りだという商店街の多くの店に活気が溢れ、子供達の喜びそうな屋台が所狭しと立ち並び、多くの市民が心から楽しみ交流を深める場となっていると感じました。 2024.8.10