わたなべ整形外科関連

日本中が1年で最も冷え込むこの時期、患者さんから投げかけられるお決まりの言葉があります。「外がとっても寒いので厚着をして来たら、院内が暑くて汗をかいちゃったよ。病院の職員さんは皆んな半袖で仕事が出来て幸せだね。」そんな時、外来診療の混み具合にもよりますが、院内の温度設定に関する持論を展開することがあります。

皆さんは、そもそも医療機関の院内温度とはどういう基準で設定されていると思いますか?それは職員が半袖で快適に、そして活発に活動出来るように設定されている訳ではありません。来院された患者さんが診察を受ける際、状況によってはかなり薄着になっていただく場合があります。我々が設定している室温はまさにこの時の患者さんに合わせているのです。病院に行って診察を受け、風邪を引いて帰って来たなんて、様になりませんよね。そんな訳で当院の室温は冬の寒い時期、一般家庭での設定温度より多少高めに調節されております。

私が学生時代を過ごした札幌では、厳しい冬の時期「暖かさは何よりのごちそうです。」と言って、自宅を訪問された方をもてなすと聞いております。冷え込みの厳しい冬場、厚着して来院された際は是非、ごちそうを振る舞われた位に考えて、簡単に一枚二枚脱いで体温調整が出来るような服装で来院されることをお願いしたいと思います。

こんな中、昔はデパートなどに行った時、冬はちょっと暑いし、夏は冷房が効き過ぎて寒い位ということがよくありました。しかし個人的にはこの状況はウェルカムで、高温多湿でとても不快な日、デパートに足を踏み入れ、涼しくて快適な思いをした記憶がありました。しかし最近の傾向として大半のショップでは夏場の温度設定がかなり高めで、入店した際ちょっとがっかりさせられることが多い様な気がします。そこには様々な理由があるのでしょうが私が直感的に感じるのは、お店で長い時間過ごさねばならないスタッフの健康管理を最優先にし、ついでに電気代も節約し、エコに貢献しているポーズも取れるとういう、まさに一石三鳥の戦略であり、そこには酷暑の中、汗をかきながらわざわざ来ていただいたお客様に対する配慮が欠落しているような気がしてなりません。

私はサービス業を展開しお客様が同席される状況での温度設定と、オフィスや工場でスタッフだけが長時間過ごす環境での温度設定は当然異なるものにすべきであり、常にその場の主役は誰なのかを考えて室温を決めるべきであると考えております。

以上、偉そうなことを書き連ねて参りましたが、真夏の炎天下、あるいは真冬の凍るような厳しい環境下で働いている方達が大勢いらっしゃることを我々は常に肝に銘じ、1年を通じてエアコンの効いた快適な環境で仕事が出来ることに感謝せねばならないと考えております。   

2015年08月15日

開業四半世紀

平成27年6月18日、当院主催の院内クラシックコンサート第100回公演が開催され、一応の幕引きとなりました。開業以来1年に4回、小生幼なじみ青山進君の発案で始まり、チャリティーの形で運営し、群響OBの弦楽四重奏を中心にピアノや管楽器なども随時参加するコンサートでしたが、いよいよその最終回を迎えるにあたり感慨ひとしおです。群馬交響楽団の現役の演奏家達にも、コンサートマスターをはじめ多数出演してコンサートを盛り上げていただきました。

質の高いクラシック音楽の生演奏を、気楽に普段着で楽しんでもらおうというコンセプトで、いわゆるメセナ活動の真似事をさせていただきましたが、100回のコンサートを運営する過程で我々は多くの事を学び、また多くの感動を、コンサートにお集まりいただいた皆さま方と共有できた事を心から感謝しております。

さて、平成元年10月の開業から25年が経過し、26年目に足を踏み入れた「わたなべ整形外科」ですが、この頃着実に重ねた年齢のおかげで、副院長も小生も大分老朽化が目立ち始めております。こんな我々をしっかりサポートし、ボロが出ないように優しく、時には厳しくケアしてくれているのはズラリ揃ったベテランナースと事務、リハビリの精鋭達です。開業以来の生え抜き、あるいは看護学生として18歳で就職して以来などという、ある意味家族よりも一緒に過ごした時間が長いのではというスタッフ達も健在であり、彼らに支えられながら、もう少しの間現役で頑張ってみようかと考えております。

思いっきりの笑顔で患者さんをお迎えし、親切・丁寧に最高水準の医療をさりげなく提供することでADL(日常生活動作)の改善からQOL(生活の質)の向上に繋げるという地道な営みを日々続けて来たつもりですが、最近ようやく、自分が当院を開業する前に描いていた、一つの理想とした形に近づいて来たような気がします。院内を見渡すとスタッフにも患者さんにも自然な笑顔があふれており、生き生きと楽しそうに働くスタッフと患者さんとの間にはしっかりとした信頼関係が生まれ、徐々にそれが確固たるものに育ちつつあることを感じております。

また当院では開業以来一貫して院内処方を採用しておりますが、このシステムは診療終了後、院内の会計窓口でお薬が手渡され、しかも全く同じ治療、全く同じ薬が処方されたとしても、院外処方を採用している医療機関を受診した時に比べ、常に3割前後、患者さんのご負担額が少ないという画期的なものです。その反面これを採用する医療機関に対してはかなり経営的に無理を強いるものですが、患者さんの受けるメリットは計り知れないものがあり、今後もちょっとやせ我慢してでも院内処方を堅持するつもりでおります。

「すべては患者さんの為に!」

2014年(平成26年)4月1日、消費税が5%から8%に引き上げられました。欧米先進国では当然の事として行われている、食料品をはじめとした生活必需品に対する軽減税率は実施されず、一家の大黒柱の給料は上がらず、家計のやりくりは以前にも増して困難になって来ました。

今回は、2011.5.15に私がまとめた「院内処方・院外処方とは」との関連で、皆さんにささやかな提言をしたいと思います。

現在足利市には医療機関が100軒超ありますが、この内80軒前後が院外処方を採用しています。また、市内には常勤の整形外科医がいる施設が8ヶ所ありますが、この内当院以外の7軒が院外処方です。こんな中私が頑固に院内処方を続ける理由は2つあります。

1つ目の理由は、移動が大変な患者さんに対する配慮です。診察が終了した後、外の薬局まで出かけて行くのは大変な事だと思います。特に天候の悪い日などは最悪です。2つ目は、患者さんの支払う治療費の額が3割も違う為です。全く同じ治療を受け、全く同じクスリをもらっても、院外処方を採用している医療機関を受診した患者さんの方が常に3割前後、支払い額は多くなります。

この理由は厚労省が院外処方を採用する医療機関を増やす目的で利益誘導を行ない、また調剤薬局での処方に関する技術料を異常に高く設定した(あるいは院内薬局の技術料を異常に安く設定した?)為です。簡単に言うと、院外処方は経営的上のメリットを考えると医療機関の味方、院内処方は患者さんの味方です。「クスリを院内でもらえるし、窓口での負担は3割も安いのです。」

さて、皆さん御存知ないと思いますが医療非課税という法律の下、現在医療機関は薬問屋から、例えば公定価格100円のクスリを108円の消費税込みで仕入れ、患者さんには消費税抜きの100円でお渡ししています。来年以降消費税が10%になると院内処方を採用している医療機関は、クスリを処方する毎に10%の損失になるわけです。

薬価差益の全国平均が5~6%という厳しい状況となり、経営的には全くナンセンスな院内処方を維持する事の困難さを今年4月以降身にしみて感じていますが、こんな中、院長としては何とかやせ我慢をして「すべては患者さんの為に!」という事で、もう少しの間いい恰好させてもらおうかなと考えています。

消費増税で家計のやりくりが大変な中、「わたなべ整形外科」に行けば、同じ治療を受けても3割前後窓口負担が少なくて済むという情報提供でした。

2014年04月29日

祝祭日診療の事

究極の医療サービスとは、365日年中無休、24時間対応の診療体制だと、私は考えています。

病気やケガは、曜日や時間に関係なく突然襲ってきます。こんな時いつでも対応してくれる医療機関があったらいいなと思います。しかし医療水準が低くてはちょっと困ります。無愛想な対応をされるのも嫌なものです。アメリカにはこの条件を満たす病院が数多く存在します。でもちょっと問題があります。それはこのサービスを受けるには、患者さんのコストが日本の10倍以上かかるということです。アメリカの医療費が高いのは余りにも有名ですが、それだけ高額の医療費が医療機関に注ぎ込まれるおかげで、病院スタッフの人数は日本の10倍以上、給料は2倍以上が実現し、最新鋭の設備と余裕を持った勤務体制が実現出来ています。
 
さて、365日年中無休体制での医療の展開は私の夢ですが、その実現にはかなり高いハードルを越えなければなりません。わたなべ整形外科では平成22年(2010年)9月から、年間を通じて祝祭日も、午前中のみではありますが通常通りの診療(診察・リハビリ・バス送迎サービス)が受けられるようになりました。常に患者さん目線で医療の現場を見つめ、「こんな病院あったらいいな」をテーマとして平成元年の開院以来、時代の流れに身を任せ、しなやかに組織の形を進化させながらこれまで歩んで来たつもりです。

「経営を最優先にしない医療」、「患者さんが主役の医療」を目指して行くと現在のような形に落ち着くのかなと今は思っています。

しかしながら、院長として自信を持って患者サイドに立って実行していると確信していても、それに対する患者さんの反応は様々です。先日も、ある患者さんから祝祭日診療に対して「これ以上儲けてどうするの?」と言われた時にはちょっと絶句しました。

今回のゴールデンウィーク中も祝祭日はすべて、午前中の通常診療が受けられますが、これを実現するためにはスタッフ全員が、当院の目指す医療への姿勢を理解し、祝祭日出勤への協力があってはじめて実現するものであり、ねぎらいや感謝の言葉ならぬ、きつい一撃に、様々な考えを持った患者さんが来院している事を今更ながらに痛感させられ、我々はもっともっと謙虚にならねばいかん、独りよがりにならず、そして高度な医療サービスを今まで以上にサラリと提供しようと心に誓いました。

2014年02月17日

50年ぶりの大雪

今年の足利市は2月8日、15日と、2週連続で、50年ぶりの大雪に見舞われた。

腰の具合が良くなった私は9日の日曜日、早起きして病院駐車場の雪かきをした。結構早起きして行ったつもりだったが、既にカイロプラクターの峰崎が活動を開始しており、彼に合流する事になった。とりあえずプラウドとボヌールのお客さんが駐車場から治療ユニットまでスムーズにアプローチできるだけのスペースは確保しなければということで、二人で久しぶりにいい汗を流すことになった。

つい夢中でやってしまったが、案の定、雪かきが終わるころから腰痛と右坐骨神経痛が再燃して来た。いつも患者さんに言っている事で、15分に一回位休憩を入れながら作業するなどという事は、診察時の指導としてはもっともらしく聞こえるが、作業というものは一旦始まると、休みなく進めてしまうもので現実には無理だと実感した。

さてその一週間後、14日夜から降り続いた豪雪は足利市内を埋め尽くした。

そんな中、15日(土)の早朝6時、7時に目覚ましを掛け熟睡中の私の携帯が鳴った。それは当院事務スタッフからのものだった。15日朝の病院鍵開け当番の子が、まだ新人で鍵開けに慣れておらず、心配で電話した所、雪が深くて病院に行けそうもないとの返事。それではこんな悪天候の中、わざわざ来院される患者さんに迷惑がかかってしまうとの一心で、居ても立っても居られなくなり、何とか頑張って病院まで駆け付けたが、鍵がなくて中に入れない。途方に暮れ、恐る恐る私の携帯に連絡を入れたと言う訳だった。

取るものも取りあえず、パジャマにウィンドブレーカーのまま車を飛ばし病院に到着すると、正面玄関前に当院スタッフが二人、さらに病院西側の日の当たらない側にある職員通用口に車を進めると、そこには寒さに震え立ち尽くす、私に電話を掛けてきた事務スタッフの姿があった。これにはさすがに、やられたという思いで打ちのめされ、こんなにまで病院の事、患者さんの事を思っているスタッフがいたことに痛く感動させられた。

いつも皆に言っている事だが、人は何か大きなトラブルに見舞われた時、非日常的な状況に遭遇した時、その人の本領が発揮され、真価が問われるものだと思う。悪天候の中、スタッフ各自さまざまな知恵を絞り何とか病院までたどり着き、結局いつも通りの診療を行うことが出来た。

私はこんな素晴らしいスタッフ達と一緒に仕事ができる事を誇りに思うし、またそんな環境で働ける自分は、本当に幸せ者だと、大雪のおかげで改めて再認識することが出来た。

2013年12月19日

外来診療あれこれ

当院では初めて来院された患者さんに、診療申込書への必要事項の記入をお願いしております。

ここから得られる情報は、個人情報として大切に保管されるのはもちろんですが、これから診察を受けていただく際の貴重な情報として活用させていただいております。
 
私は学生時代、医学部よりも他の学部の学生達、そして様々なアルバイトやサークル活動、「すすきの」での社会勉強を通じて、実に幅広い職種の方々と交流を深めて参りました。そのおかげもあってか、外来で初めてお会いする患者さんとも極めてスムーズに会話が進み、その方達の職業についても一般のドクターよりは、かなり深い理解を持って接することが出来ていると、少なからぬ自負を持っております。

こんな中、診療申込書の項目の中で私が特に注目するのは、職業を記入する欄です。会社員、自由業、会社役員、無職、などなど様々な記入がされており、私はこのひとつひとつを、年齢や性別を加味しながら、職業に貴賤なしの大前提の下、興味深く読み込みます。昔から「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」と申しますが、職業欄に会社員という記入しかせず、とても謙虚で腰が低く、それでいて会話の中に高いインテリジェンスを感じさせる方の診察時には、会社役員と書いて尊大に構えている方よりは、こちらサイドの緊張感のレベルが少し上がります。

こんな時いつも考える事ですが、自分がもし高名な実業家あるいは国会議員などの肩書を持っていたとしても、患者という立場でどこかの医療機関の診察を受ける際には、職業欄はあっさり記入し特別扱いを要求せず、周りの患者さんとの気さくな会話を楽しみながら、平然と自分の診察の順番が来るのを待ちたいと考えております。

こういう事のできる人を、私はカッコいいと思うし、周りの人もきっとその人に対する評価を高めるのではないかと考えています。しかしその一方で、分刻みのハードワークをこなしているような忙しい人が、会社をリタイアし悠々自適の生活をしている人と、「平等に」、混雑した待合室で診察の順番を待つことを社会は本当に望んでいるのか、疑問に感じる事もあります。アメリカのように完全予約制、1人当たりの診察時間は30分、しかし診察料は日本の10倍以上という選択肢があってもいいのではないかとも考えます。 

私は、世界に冠たる日本の医療、国民皆保険の良さは堅持しながらも、もう少し柔軟で現実的な医療制度の改革が進められ、TPPの批准によって懸念される、アメリカの保険会社を利するだけの混合診療解禁は、断固避けなければならないと考えています。

「来る者は拒まず、去る者は追わず」

私は平成元年の開業以来、この原則を忠実に守って当院のスタッフ達と接して来ました。これまでに多くの人を迎え入れ、また多くの人が巣立って行きました。こんな中、開業以来のスタッフも含め、とても長く一緒に働いている仲間達がいます。彼らに共通しているのは(これは私の勝手な推測ですが)私が掲げる、「医療に対する考え方」への共感かなと考えています。病を抱え来院される患者さんに接する際の心構えとして、開院以来掲げている「笑顔」「親切」「信頼」、そして「常に患者さんに希望を与え続ける医療姿勢」を貫く為、時には厳しくスタッフを指導する事もありますが、そんな時私の基本的な医療に対する考えを理解している人はポジティブに受け入れてもらえているようです。

診療中本当にまれにスタッフを叱ることがありますが、それは患者さんに迷惑をかける行為をした時です。また使ってはいけない言葉も多々あります。診察時、レントゲン所見や病状についての説明をしている時、よく患者さんから、この病気この症状がなかなか改善しないのは年のせいですよねと言われることがありますが、これに安易に相槌を打つと大変な事になります。「あそこの病院に行ったら、年のせいだからもう治らないと言われた。」と言い触らされることになります。また注射やギプスその他の治療が終了した時、今日はこれで「終わり」ですというのも当院ではご法度です。私は高齢者に対して「終わり」という言葉を使うのはTABOO(タブー)と考えており、必ず、今日はこれで終了です、あるいは、これで完了ですという言葉を使うようにスタッフを指導しています。その他、患者さんの前で使ってはいけない言葉は、「大丈夫ですか?」「間違えました。」「失敗しました。」「ダメでした。」などなど、たくさんありますが、基本的には、患者さんに不安感、不快感、不信感を与えるような言葉はすべて禁句とし、むしろ希望を与え、不安を解消し、信頼感、幸福感を与えるような言葉を選ぶことを目指しています。

さて頑固オヤジの復活を目指す私としては、ひとたび当院のスタッフとなったからには、お節介と言われ様がお構いなしに、ビシビシと様々な教育を行っております。言葉使い、長幼の序の徹底、高齢者、弱者へのいたわり、一般常識の習得、身だしなみに至るまで、これからの長い人生を、そして社会生活を送る上で、とても大切な、そして基本的な事を若い人達は学んでくれているのではないかと確信しております。
 
院長としては、わたなべ整形外科で最低でも3年位勤め上げることが出来れば、どこに出しても恥ずかしくない、バランスのとれた社会人に仕上がることを目指しています。

2013年08月24日

代診のドクター

毎年7月から10月の間にわたなべ整形外科のスタッフは、交代で夏休みを取ります。平成元年の開業以来、当院はお盆休みなしで通常通りの診療を行っている関係で、スタッフの夏休みは8月に集中することなく、適度に分散して取られています。私と福先生も毎年この時期、1週間ずつ夏休みを取らせていただいております。医療機関によっては、ドクター休診の際、研修会出席の為とか学会出張の為とか、色々苦しい言い訳をしている施設もありますが、当院では私の方針で、患者さんに正直にお伝えし、休みをいただいております。

さて我々が交代で夏休みを取る際は、毎年東京の慶応義塾大学から代診のドクターを招聘しております。この際どんなドクターが来てもいいという訳には行きません。当院に通院されている患者さんはドクターを見る目が肥えているので、ただ医師免許を持っているというだけでは当院の代診は務まりません。医療水準の高い優秀なドクターという事は大前提、さらに重要な資質はハートフルで優しく、患者さんの訴えに根気よく耳を傾け、丁寧に説明をしてくれる親切なお医者さんということです。こういう厳しい条件をクリアした若き医師たちが、今年も我々の代診を務めてくれましたが、患者さんからはかなりの高評価をいただけたようです。またドクターの選考基準には、特に容姿端麗という項目は設けていないのですが、時にはかなりなイケメンの先生が来ることもあり、患者さんだけでなく当院スタッフ達からも、今年はどんな先生が来るのかなあと熱い期待が寄せられているようです。

患者さんの中には、「なんだ、今日は院長いないのか」などと言って、リハビリもせずに帰ってしまう方もいらっしゃいますが、私としてはかなり苦労して選抜した、選りすぐりのドクター達をお呼びしておりますので、いつもと違った視点から自分の患っている疾患を診てもらえるラッキーチャンスとして捉え、今後はもっと積極的に代診のドクターの診察を受けていただければ幸いです。

また毎週土曜日には、リウマチ内科、循環器内科、手の外科、膝の外科など、それぞれ学会のシンポジストとして活躍されているレベルのドクター達を当院にお招きし、患者さんの診察をしていただいておりますが、これは足利市民として大きな幸せであり、皆さんにはもっと積極的にこの機会を活用していただきたいと思います。この際、彼らとの情報交換を通じて最先端の医療を肌で感じ、学習する機会が得られることは、地方都市に住む一開業医として、個人的にとても大きな刺激であり、喜びでもあると考え、この幸せを噛みしめ日々感謝しております。

2013年06月17日

出会い

世界の人口は既に70億人を超え、毎年約1%ずつ増加する中、わずか100年前後の人生で出会える人の数は果たして何人位いるのだろうか?ただすれ違うだけの人は多くいるが、言葉を交わし親交を深めるレベルまで行く人の数はとても少ない。

平成元年10月、わたなべ整形外科を開業して以来2013年6月16日現在で、87589人の患者さんが当院を受診していますが、中には開業以来通院されている方もいらっしゃいます。1週間に一回、2週間に一回、1ヶ月に一回など来院頻度は病状によってまちまちですが、長く定期的に通っていらっしゃる方は、お互いその性格も知り抜いており、とても他人とは思えぬ親近感を感じています。

昔から「遠くの親戚より近くの他人」と言いますが、とても愛着を持って肉親に対するような接し方になっている患者さんも数多く存在します。縁あって当院を受診された方達と、このように長いお付き合いになった事には、最近何か運命的なものを感じます。また、何の因果か当院を担当することになり私と出会う羽目になった薬のメーカーさん、問屋さん、様々な出入りの業者さんなどなど、本当にビジネスを超えた、心の通う親密なお付き合いをさせていただいている方達が大勢いて、職員も含めこの人達のお蔭で我々の組織は成り立っていると、常日頃感じ、感謝しています。  

さて毎日様々な出会いがありますが、その中には、長くお付き合いしたいなと感じる方とそうでない方がいらっしゃいます。長く人生を歩んでいると、若い頃より多少は人を見る目が肥えて来たと自負しておりますが、このささやかな鑑識眼を通して同好の士を集め、交流の輪を広げ、人生を更に楽しい充実したものにして行きたいと考えています。

若い人によく 「出会いを大切にしなさい」と話します。ビッグな人と出会った時、その人の凄さが解る人は、まだ自分が成長途上にあったとしてもビッグになる素質を持っており、その人から認められ、多くの教えを受け、今後益々成長する可能性を秘めた人であると思います。これに反して、自分のポテンツが低い人は、せっかくの貴重な出会いがあっても、相手の凄さが理解できず、相手からも評価されず、無駄な出会いとなってしまうことになります。
 
せっかくの出会いを無駄にしない為には、普段から書に親しみ、常に謙虚さを失わず、学ぶ姿勢を前面に出し、誰に対してもフランクに接する習慣を身に付けることであり、その先には前途洋々たる人生が開けて来るものと確信しています。こうして自分の、人間としての魅力が増して来ると、自然と周りに人が集まって来ますが、その中から生涯にわたり付き合える友が見つかれば最高の幸せと考えています。

2012年12月11日

目指すべき道

「わたなべ整形外科スタッフの対応は素晴らしい!」と、患者さんからお褒めの言葉をいただくことがあります。
 
そんな時私は、まずは素直に「ありがとうございます。」と、我々の仕事ぶりを評価して頂いた事に対して、心からのお礼を申し上げます。そしてこの時いつも感じるのは、「我々は別に特別な事をしているつもりはない。医療機関のスタッフとは本来こうあるべきであると考え、行動しているだけであり、我々からすればごく普通の事をしていて褒められるのは、何かちょっと申し訳ないような気がする。」という事です。

病を抱え、少しでも楽になりたいという思いで来院された患者さんに対して、全くの健常人に対するのと同じように接するのではなく、いつもより気配り心配りのレベルを少しだけアップして優しく接するというのは、医療機関のスタッフにとって、基本中の基本であり、これができない人は適性がないということで、早目に転職した方がいいと私は常々考えています。

   A good doctor is a doctor who continuously gives hope to the patient. 

このフレーズは、私が患者さんを診察する時にいつも心がけている一つのポリシーです。頑固な痛みが続き、ともすれば塞ぎ込んで絶望的になりがちな患者さんを診る時などは、とりわけその重要度が増して来ます。根治が困難な患者さんに対して「あなたの病気は治りません!」「年のせいです!」などと突き放すのではなく、その困難な状況の中で、如何にして患者さんのQOL(生活の質)を高めることが出来るかを共に考え、明日への希望を与え続けるのが医師の使命と考えています。

いい加減な、その場しのぎの気休めを言うのではなく、自身の抱えている病気についての正しい情報を提供し、患者さんがその現実から目をそらすことなく前向きに受け入れ、投薬、注射、リハビリなどの持つ効能効果、更にはその副作用まで含めて十分理解し、納得した上で治療を受けていただくという事をいつも目指して私は患者さんと接しています。

また私は笑いの持つ様々な効用を確信している者の一人ですが、院内至る所で笑顔と笑い声の絶えない、まるで病院にいる事を忘れてしまうような現在の当院の雰囲気をこれからも大切にし、患者さんに対して、病気に立ち向かう勇気と将来への希望を与え続け、「あなたの診察を受け、あなたの笑顔を見ると何だか元気になれる。」と言ってもらえたら、それこそ医師の本懐と考えています。