院長渡辺邦夫ブログ

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2020年11月10日

Go To キャンペーン

 新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている観光、運輸、宿泊、飲食その他の業種を支援するため、7月22日GoToキャンペーンなるものがスタートしました。これは本来「感染症流行収束後」に政府が1兆6794億円の補正予算を投じて官民一体となって取り組む企画ということでしたが、今回前倒しで実施されることになったようです。世界中で猛威を振るい、未だ収束どころか感染者が増える一方のCOVID-19ですが、この感染症の厄介なところは感染に伴う身体へのリスクもさることながら経済に壊滅的なダメージを与えるということであります。巷ではブレーキとアクセルという表現を用いていますが、感染症対策と経済対策をどう両立させるか、とても悩ましい問題だと思います。こんな中政府は経済対策に大きく舵を切る政策を打ち出した訳ですが、この方法論について個人的にはかなり疑問を感じています。一例をあげると持続化給付金の際にも噴出しましたが、困窮する対象者に遅々として現金が届かず、それどころかその給付の過程で電通その他の組織がピンハネをするという構図です。困っている事業者を助けることは喫緊の課題であり大賛成ですが、その政策の進め方が拙劣でとても納得の行く内容ではないと感じています。一番問題だと思うのは、ITを使いこなし情報のアンテナが高い人達と情報弱者との間に大きな不公平が生じていることです。知っている人だけ得をする政策に対して全国民から集めた税金が偏って投入されるという現実に違和感を覚えます。また生活に困っている人に対して旅行や外食を勧めても現実的ではありません。さらに言えばお得感があおられる弊害でお客が高額の宿泊施設やレストランに集中し、それ以外の事業者には支援の手が届いていないことも問題です。そもそもの趣旨からすれば、困窮している事業者すべてを対象としてサポートすべきなのに支援が偏っており、さらには支援金の届くのが遅すぎること。ドイツやイギリスで実行されているように、本当に困っている事業者を精査してスピーディー(1週間以内)に直接資金援助すること、これこそが本当に困っている事業者を救済することであり、税金を投入するに当たっての不公平感が無くなる道ではないかと私は考えています。

                                   2020.11.9