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2016年01月08日

本を出版するという事

先日、東京の有名な出版社から突然連絡があり、編集者と当院で面会する機会がありました。訪問の目的は、私の「わたなべ整形外科院長ブログ」を一冊の本にまとめて出版しませんかという事でした。私には前々からその予定があったので、渡りに船と彼らの提案を最後まで聞くことになりました。最後に出版に当たっての費用や実例集などの資料をいただき、後日こちらから連絡しますという事でお開きになりました。

金額はどの程度が妥当なのか、皆目見当が付かなかったので知り合いに相談してみると、大体半額位で栃木県内の新聞社から出版したという方がいらっしゃいました。またもう既に何冊か自分の著作のある従兄に電話した所、「え~、邦夫ちゃんお金払って本出すの?俺お金もらって本出した経験しかないからアドバイスは出来ないよ、ごめんね。」とつれない返事でした。

ここで改めて出版社のスタッフのセールストークを思い起こしてみた所、段々と冷静に今回の一連のエピソードを検証することが出来ました。別に彼らは私のブログの内容に感銘を受けたわけではなく、病院の院長や会社の社長、政治家、僧侶その他ある程度の財力があり社会的な地位もある一群にターゲットを絞り込み、ある時はゴーストライターとして本を出版させ、その功名心を満たし、あわよくば組織に何らかの利益をもたらす手段として本を活用しては如何でしょうかという提案を携え、自分の出版社の営業活動の一環として東京から出張して来たという事のようでした。

以前から時々、院長ブログをA4のクリアファイルごとプレゼントするという場面がありましたが、これはよく考えてみると結構厄介な贈り物で、何しろかさ張り、置く場所に困るだろうなと最近反省しきりです。捨てるわけにもいかずそうかといって何回も読み返すほどの物でもないしで、受け取った方はさぞかし難渋しているのではとお察しします。

そんな訳で、コンパクトな1冊の本にまとめた方がご迷惑をお掛けしないだろうという事で出版を思い立ったわけですが、自分には特に功名心もないし営業用に使う予定もないので、余り高額な出費は本来の趣旨から逸脱し、出版社を儲けさせるだけだろうと考えています。インターネットの進歩に伴い本を読む人が減っている中、あえて活字で印刷された本を出版する意味をしっかりと自分なりに確認しながら、その作成に向け出来るだけコストパフォーマンスの良い出版社をこれから地道に探してみようかと考えています。        2016.1.8