情報公開について
私はどうしても止む負えぬ家庭の事情で1年に1~2度飛行機に乗りますが、搭乗するたび今度こそ墜落して命を落とすのではないかという予感がします。率直な話、あんな大勢の乗客と大量の荷物を搭載した物体が空を飛ぶという不自然さを考えただけで空恐ろしい限りです。飛行中CA達はことさらに平静を装い、「これから多少気流の悪いエリアを通過しますので、シートベルトをお締め下さい。」などと言い放つことがありますが、これまで何回か生きた心地のしない経験をし、これで終わりかなと思ったこともあります。
こんな中、いつも考える事があります。それは情報公開という事です。フライトを選択する際、搭乗予約を確定する前に、勤務するパイロットや搭乗予定の飛行機に関する詳細な情報が入手出来るとしたら、多少割高になったとしても、よりリスクの低いものを選びたいと心底思います。しかしこのささやかな願いが叶えられることはなく、これらの詳細な情報が開示されるのはいつも墜落して多くの犠牲者が出た後です。パイロットに自殺願望があったり、機体が何回も事故を起こしたことのあるポンコツで、搭乗員の間では出来れば乗りたくないと思われている飛行機に乗せられるかも知れないのに、これらの情報は一般人には一切公開されない仕組みになっています。
日本では様々な場面で真実の情報が公開されていないもどかしさを感じることが多いです。2011.3.11の東日本大震災に続いて起きた福島第一原発事故は、ここに来てようやく人災である側面があぶり出されて来ていますが、まだまだ真実の情報不足でその真相究明には程遠い感じがします。
こんな中、安倍首相はオリンピック誘致のプレゼンの際、放射能は完全にコントロールされていると大嘘をついていましたが、現実には放射能は今尚拡散を続けており、終息のめどは全く立っていません。大気・地下水・土壌・海水の放射能汚染の実態はほとんど正確には公表されず、福島で甲状腺がんに罹る子供たちが増加しているという事実や、農作物や魚介類の汚染実態の公表など、政府はこれからも真実の公表を控え、ひたすら安全安全と報道することで、原発事故そして放射能汚染の矮小化・過少化に努める方針のようです。
とても寂しい話ですが海外メディアやアメリカ政府の報道からようやく事実を知らされるという事が最近よくあります。いずれにせよ、このままのペースで放射能汚染の範囲が広がって行くと、東日本での居住が困難となる日もそう遠くはないような気がします。
ここは政府も偽りの安全宣言ばかり出していないで、真実の情報を公開し、日本国の英知、そして不足であれば世界中の専門家を国費で招聘し意見を聞き、本気で放射能汚染の封じ込めに当たってもらいたいものです。