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2015年05月24日

スマホの功罪

私はスマートフォン(スマホ)を持っていません。その代りガラパゴス携帯とiPad Air 2を常時持ち歩き、院長室にはちょっと大容量のデスクトップ型パソコンを設置し、用途に応じてこれらを使い分け、別に何の不自由も感ぜず快適なSNSライフを満喫しています。今の世の中ともすればガラパゴス携帯は新しい物に適応できない年寄りの持ち物であるかのような偏見を持つ向きもあるようですが、これは勘違いも甚だしいと考えております。

こんな中、ここ数年来スマホの爆発的な性能の向上、普及と共にその様々な弊害が叫ばれるようになって来ました。
整形外科医の立場から言わせてもらうと、あんな小さな画面を長時間にわたって凝視し、指先で画面をタッチする操作は頸椎の変形をもたらし、肩こりや手のシビレ、視力低下などを引き起こす作業であり、まったくのナンセンスであると考えています。どうしても必要に迫られてスマホと付き合わなければならない場合、最低でも15分に一回位はスマホから目を離し頸椎のposition change 、stretchをすべきであると考えています。

私にとって特に奇異に映るのは、仲間が集まって食事会や飲み会をしている間中、一部の人間、時にはほぼ全員が、テーブルの下あるいは公然とテーブルの上で、背中を丸めチマチマとスマホを操作している姿であり、これはとても滑稽で哀れを誘う光景でもあります。これではせっかく時間を調整して集まった仲間との貴重なコミュニケイションの時間を台無しにするだけでなく、リアルな場での活発な意見交換のチャンスを自ら放棄することにもなりかねません。

たしかにスマホがとても有用なツールであることは認めますが、所詮は人間の便利の為に作られた物であり、これに振り回され貴重な時間を浪費しスマホ依存症のようになって行くのはちょっと悲し過ぎます。

こんな中、信州大学長の山沢清人氏が今年4月の入学式で行った「スマホやめますか、それとも大学やめますか」のスピーチはとても素晴らしく、私が常日頃感じていたことを、明快な言葉で語ってもらえたような気がします。
スマホに振り回され無為に時間を過ごすことなく、本を読み、友人や先輩と話をし、自分の持つ知識を総動員して物事を根本から考える習慣を身に付け、斜に構えず全力で行動しようという主張には大いなる共感を覚えました。