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2013年10月20日

お笑い芸人考

最近私は、以前にも増してテレビを見なくなった気がする。

その一番の理由は、興味をそそられるような、内容の濃い番組がとても少なくなったと感じるからです。
そしてもう一つの理由は、どのチャンネルを選択しても関西系を中心としたお笑い芸人達が出演し、番組を仕切っているからです。

芸人とは名ばかりで、粗末な芸しか持たない人達が延々と、身内で遊んだ話や失敗した話など、一般人が仲間と居酒屋で盛り上がっているだけという風にしか見えず、交流のある芸能人や自分達の私生活を露出し合い、出演者同士で勝手に受け、大笑いしている姿を見せられても、私は何も共感できないし、少しも面白いとは思えない。本物志向の私としては、彼らのような中途半端な存在はちょっと苦手である。

さまざまなSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)にクライアントを奪われ、経営上の大きな岐路に立つTV業界としては、出演料が安く、あまり番組制作に費用や時間をかけずTV放送の帯を埋めてくれる彼らの存在は、とても貴重だという裏事情は十分理解出来るが、もうそろそろ個人的にはちょっと限界という気がするし、こんな手抜きを続けて行くとそのうち一般視聴者にも飽きられ、本格的なTV離れに拍車がかかるような気がする。

また「タブーの正体」(川端幹人著)に克明に書かれているように、TV業界を支配する大手芸能プロダクションや大手広告代理店の意向により、才能の乏しい人達が戦略的に売り出され、彼らを頻繁にTV露出させる事によって、いつの間にか国民的アイドルにまで仕立てて行く手法は見事ではあるが、欧米流の実力主義を好む私としては何とも納得の行かない所である。

ところで、頻繁にTV露出しているタレント達に対して、まったく一度も個人的に会ったことも話したこともないはずなのに、まるで自分の家族や親しい友人を呼ぶが如く、君付け、ちゃん付けで語る人達が最近急増しているような気がするが、これもちょっと個人的にはついて行けない。ちょうど言葉の語尾を、疑問符の如く上げて話す人と会話した時のような違和感を覚える。

いずれにせよ、幸か不幸か大きな社会的影響力を持ってしまった彼らに是非お願いしたいのは、自分たちの発信する言動の持つ大きな影響力をちゃんと理解し、もっと責任ある行動をとって欲しいという事です。またメディア側も、様々な圧力に屈することなく、公共の電波を扱う放送人としてのプライドを喚起し、その放送内容にもう少し責任を持ってもらいたいものです。