医療問題

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2012年02月06日

医師優遇税制なるものについて

最近新聞で「医師優遇税制」という言葉を、久しぶりで目にしました。これは一般市民の間では、かなり誤解されて伝わっているように感じますので、少し解説してみたいと思います。

そもそもこれは、正式には「租税特別措置法26条」という名称で、離島や無医村で零細な診療所を営む開業医を支援するために設けられたもので、これをマスコミが勝手に悪意を持って?ネーミングをしたものと思われます。マスコミの報道をそのまま鵜呑みにしていると、日本中の開業医はすべて、収入の72%が経費として認められ、残り28%に対してだけ累進課税されているような錯覚に陥りますが、これは正しくありません。

正確には年間の社会保険収入が5000万円以下の医療機関(医業,歯科医業,薬剤師業,助産師業,あんま,マッサージ指圧,はり,きゅう,柔道整復師,その他の医業に類する事業を行う者)が対象です。2500万円以下(72%)、2500万円超3000万円以下(70%)、3000万円超4000万円以下(62%)、4000万円超5000万円以下(57%)の4段階に経費率が分類されており、5000万円を超える医療機関にはこの制度は適用されません。要するに、一日に5~6人位しか患者さんが来院しないような零細医療機関が、72%の経費適用に該当すると言う訳です。

わたなべ整形外科は平成元年の開業以来、おかげさまで一度もこの制度を利用することなく今日に至っております。日本医師会はこの制度の廃止には強硬に反対しているようですが、医師の大半が利用しておらず、市民からは「医者はずるい!」という誤解ばかりされるような制度ですので、ここは一度思い切って廃止して、離島や無医村で零細な診療所に従事する医師に対しては、何か別の制度を立ち上げて支援するという方がいいのではと、私は考えています。

昔から経済一流、国民一流、政治三流、マスコミ三流、外交五流と言われていますが、最近の印象としては経済二流、国民・政治・マスコミ三流、外交五流という感じです。常々思う事は国民が三流だから三流の政治家しか選べないのだと思います。政治家を非難する前に、そんな政治家を選んでしまった自分たちを恥じるべきかと思います。

ともあれ新聞・TVその他のメディアから発信される情報は、目を覆いたくなるような低レベルのものが目立ちます。記者クラブなど一日も早く廃止して、記者たちが自分の足でさまざまな情報を集め、徹底的に検証し、すべて署名入りで発表するようにならなければマスコミ三流の評価は変わらないと思うし、我々医師に対する誤解と偏見は今後も続くと思います。