Private Life

2011年12月15日

TAKE IVY

最近あるメンズショップで、初版が昭和40年という懐かしい本を見かけ、アマゾンでその復刻版を取り寄せました。それは「TAKE IVY」という本で、私が大学へ入学した年の春、ある本屋さんで偶然見つけ、購入したものでしたが、以来私の学生時代のバイブルとして、何回も何回も読み返し、当時の自分のライフスタイルに強い影響を与え続けた本でした。

「アイビー・リーグ」と呼ばれるアメリカ東部の名門8大学(ハーバード、エール、プリンストン、ペンシルバニア、コロンビア、ダートマス、ブラウン、コーネル)を訪ね、アイビー・リーガースと呼ばれる学生たちの学園生活を取材した内容になっています。

この本を読んで以来、私の服装はアイビーファッションに変化しましたが、一番変わったのはそのライフスタイルだったかなと思います。「健全な精神は健全な身体に宿る」というギリシャ以来の考え方と「良く学び、良く遊べ」というアメリカ式の合理主義が、見事に調和したキャンパスライフがここには描かれてありました。

彼らアイビー・リーガース達が目指しているのは、一緒にいるとどことなく楽しい、社交性に富んだ人間。男同士でいる時はガンガン酒を飲み、女性には聞かせられないような話もするし、思い切ったバカ騒ぎもする。しかし女性といる時は完璧な紳士で、洗練されたマナーを身につけ、様々なジャンルの音楽や本の話題も豊富な教養人。ジルバもツイストもワルツも、一通りのダンスは踊れるし、乗馬もヨットもテニスもゴルフも上手にこなす、いい意味でのオールラウンドプレイヤー。

ウィークデイは朝から晩まで勉強や部活に追いまくられ、ほとんど遊ぶ時間はないので、ラフな服装で過ごしますが、週末の夜のパーティータイムになると、タキシードにドレスアップして出かけ、思いっきり楽しむ。何しろ切り替えがとてもスマートです。

この本に出会ってから私は個人的に、プレイボーイの定義をこれまでの 「女ったらしの遊び人」から、上記のように変更し、これを目指して学生時代を存分にエンジョイしたことを、今懐かしく思い出します。残念ながらヨットだけはチャンスがなくて、ものに出来ませんでしたが、他は大体、学生時代に一通り達成できたかなと自己中的に自画自賛しています。

最近少しイタリア系に傾きつつある自分のライフスタイルですが、やはりその原点は「TAKE IVY」にあることを、この本を読み返しながら自省を込めて実感しました。