2011年10月24日
1人の開業医として
私は18歳まで足利で過ごし、18年間、外の世界で修業をし、36歳で故郷に戻り、1年1ヶ月足利日赤の整形外科に勤めた後、「わたなべ整形外科」を開業しました。
開業23年目に突入した今、振り返ってみると、実に様々な患者さんとの出会い、そして別れがありました。
順天堂の麻酔科でみっちり、救急蘇生その他のトレーニングを受けたおかげか、当院内で不幸な転帰をたどった患者さんは一人もいらっしゃいませんが、開業以来の長いお付き合いになっている方は、たくさんいらっしゃいます。
「あんた、私より先に逝っちゃダメだよ! 」
「死ぬまで頼むね!」
「ここに来ると、どこよりも気持ちが安らぐよ 」
「ほかの先生の前じゃあ言えないけど、あんたになら何でも言えるよ 」
「ここの病院に来るのが、一番の楽しみなんだよ!」
「あんたの顔を見ると、気持ちが落ち着くよ 」
さまざまな言葉を外来でいただきますが、そんな中、耳元でこっそり
「先生、今日はどこも悪いとこないんだけど、仮病を使って会いに来たんだよ。こうしないと先生に会えないからねえ!」
という患者さんがいました。当時から随分御高齢でしたが、いくつか大病して再起不能か?という所まで行きながら奇跡のカムバックをして今日に至っています。
最近では年に4回開催される、コンサートの時しかお会いできませんが、10月13日(木)に開催された第85回院内コンサートにもしっかり参加していただき、元気なお姿を拝見する事が出来ました。
これからも多くの患者さんに、元気をいただきながら、ささやかながら、地域医療に尽力して行きたいと思います。