院長渡辺邦夫ブログ

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2025年07月16日

足利花火大会

随分悩みましたが、私は今年の花火大会見物には行かないことにしました。 近隣市が立て続けに花火大会を中止する中、足利市だけは頑張って継続しているという話を聞きました。100年以上続く伝統行事を守り続けるということは本当に素晴らしいことだと思います。これからも是非続けていただきたいと考えています。さて私が何故今年の花火大会を見物に行かないのか、それは去年までのように心から花火を楽しめないだろうなと感じたからです。花火大会の桟敷席も昔一度だけ体験しましたが、スペースがとても狭かったのと、傾斜した席の上の客がこぼした飲み物で衣服が汚れたりで、とても居心地が悪かったことを記憶しています。それ以来、私は本部席近くの土手に、前日から仲間が確保してくれたブルーシートの上で、10人位の仲間達と毎年快適な花火見物をしていました。しかし今年からはこの最高に贅沢な花火見物が出来なくなりました。有料席が大幅に増やされてしまい、無料でブルーシートを敷くスペースが確保出来なくなったからです。私は有料席の設置には基本賛成です。お金を払って特別の席で観覧したい人もいるでしょう。しかし、有料でない土手にブルーシートを敷いて、思い思いのスタイルで観たいという人もいると思います。私はこういう市民のささやかな楽しみを奪うのは如何なものかと考えます。ここでひとつ皆さんに問いたいのは、本来花火大会は誰の為のイベントかという事です。関係者の矜持で開催しているのではと言われないように気を付けて欲しいものです。開催経費が1億円近くまで高騰しているので有料席(約2千万円)を増やして賄うという発想は短絡的であり、収入を増やす方法はいくらでもあると思いますし、万策尽きたなら開催規模を縮小するという英断を下すのもよいと思います。2万発ではなく、極端な話1.5万発でも1万発でもいいと思います。何れにせよ、身の丈に合った大会運営が求められているのだと私は思います。同時期(金、土、日)に開催される桐生八木節まつりは、正に市民ファースト、参加者ファーストが徹底されていて、毎年50万人の来場者があり、2,800万円規模で運営され来場者の負担はゼロ、しかも毎年1,000万円程の繰越金が出ていると聞いております。私は昨年友人達と桐生祭りに初めて参加しましたが、祭りに参加するすべての人が、ただ遠巻きに観て楽しむだけではなく、踊りの輪に飲み込まれ、八木節を演奏する側も参加者も共に盛り上がる様を体験し、祭り本来の姿、祭りの原点がここにあるという感じがしました。