医療機関を目指す若者達へ
人手不足が大きな話題になっている昨今、政府が進める「働き方改革」の影響もあって様々な職場が困った状況になっています。当院でもご多分に漏れず昨年位から就職を希望する若者が激減中です。今年こそはと気合を入れて、初任給を市内で一番になるように設定しましたが、反応はいまいちでした。そこで学校の進路指導の先生方に不人気の理由をお聞きすると、当院の診療体制にあるのではという可能性を告げられました。当院の診療体制は1989年の開業以来、幾多の変遷を経て現在の形に落ち着いていますが、確かに他の医療機関とは一線を画すものとなっています。何故この形に落ち着いたかというと、その一番の理由は「患者さんファースト」という当院の基本理念にあります。当院テーマソング4小節目で歌われる通り、主役は患者さんという考え方です。 受付時間は、夕方会社が終わってからも間に合うようにと、開業当初の6時から6時半に、土曜の午後しか来られないという方の為に、土曜日は午後6時まで(木曜日は午前のみ診療)となり、また祝祭日は午前中のみですが診療を行っています。これら一連の診療時間変更への反響は我々の想像をはるかに超える形で現われ、「おかげさまで」「ありがとうね」「助かります」等々、様々な感謝のお声を日々頂いております。しかしながら、これら一連の医療への取り組みは若者達からは不評のようです。給料は多少安くても早く帰宅出来る医療機関が若者から人気という話を聞き、妙に納得してしまいましたが、その一方で強い違和感も覚えました。そもそも医療機関で働きたいと考えた原点はどの辺にあるのか、初心に帰ってその頃の純粋な気持ちを思い出して欲しいと考えました。初代足利日赤院長小野康平先生に頂いた著書「医の奉仕」にある如く、医療機関で働く人間に求められるのは奉仕の精神だと思います。さまざまな症状を訴え来院される患者さんの助けになりたい、困っている人に寄り添って何かサポートしてあげたいという気持ちが高じて医療機関を就職先として選んだのではないでしょうか?私は開業以来掲げている「笑顔」「親切」「信頼」のモットーに共感し、患者さんとの感動の時間を共有したいと考える人達と共に仕事をしたいと考えています。さて当院では開業以来、少し多目にスタッフを採用してこれまでやって来ましたが、その理由は多目のスタッフで上手にシフトを組むことで早番・遅番・交代制などを活用し、より快適な勤務環境が実現出来ると考えるからです。こころざし高き若者よ、いざ集え わたなべ整形外科へ 2023.9.25