わたなべ整形外科関連

2014年04月29日

祝祭日診療の事

究極の医療サービスとは、365日年中無休、24時間対応の診療体制だと、私は考えています。

病気やケガは、曜日や時間に関係なく突然襲ってきます。こんな時いつでも対応してくれる医療機関があったらいいなと思います。しかし医療水準が低くてはちょっと困ります。無愛想な対応をされるのも嫌なものです。アメリカにはこの条件を満たす病院が数多く存在します。でもちょっと問題があります。それはこのサービスを受けるには、患者さんのコストが日本の10倍以上かかるということです。アメリカの医療費が高いのは余りにも有名ですが、それだけ高額の医療費が医療機関に注ぎ込まれるおかげで、病院スタッフの人数は日本の10倍以上、給料は2倍以上が実現し、最新鋭の設備と余裕を持った勤務体制が実現出来ています。
 
さて、365日年中無休体制での医療の展開は私の夢ですが、その実現にはかなり高いハードルを越えなければなりません。わたなべ整形外科では平成22年(2010年)9月から、年間を通じて祝祭日も、午前中のみではありますが通常通りの診療(診察・リハビリ・バス送迎サービス)が受けられるようになりました。常に患者さん目線で医療の現場を見つめ、「こんな病院あったらいいな」をテーマとして平成元年の開院以来、時代の流れに身を任せ、しなやかに組織の形を進化させながらこれまで歩んで来たつもりです。

「経営を最優先にしない医療」、「患者さんが主役の医療」を目指して行くと現在のような形に落ち着くのかなと今は思っています。

しかしながら、院長として自信を持って患者サイドに立って実行していると確信していても、それに対する患者さんの反応は様々です。先日も、ある患者さんから祝祭日診療に対して「これ以上儲けてどうするの?」と言われた時にはちょっと絶句しました。

今回のゴールデンウィーク中も祝祭日はすべて、午前中の通常診療が受けられますが、これを実現するためにはスタッフ全員が、当院の目指す医療への姿勢を理解し、祝祭日出勤への協力があってはじめて実現するものであり、ねぎらいや感謝の言葉ならぬ、きつい一撃に、様々な考えを持った患者さんが来院している事を今更ながらに痛感させられ、我々はもっともっと謙虚にならねばいかん、独りよがりにならず、そして高度な医療サービスを今まで以上にサラリと提供しようと心に誓いました。