スマイル
平成元年、わたなべ整形外科を開院するにあたり、私たちは「笑顔」「親切」「信頼」というモットーを掲げました。患者さんを思いっきりの「笑顔」でお迎えし、スタッフみんなで「親切」な対応をして病気が一日も早く治るようお手伝いすることで、患者さんとスタッフとの間に確固たる「信頼」関係が構築されることを願って皆で考えたものです。
以来23年目を迎え、最近よく感じるのは、この病院は患者さんもスタッフも、いつもいたる所で笑顔と笑い声のあふれる、いい雰囲気の中で動いているなあということです。「患者様」などと、待合室からお呼びする時だけ持ち上げるのではなく、「患者さん」と呼んで同じ目線で対応する中で、本音トークも自然に生まれ、「ここの病院に来ると何故かほっとする」「何でも気軽に相談に乗ってくれるので助かる」「ここに来るのがとっても楽しみ」「他の病院じゃあ緊張して話せないけど、ここなら何でも話せる」「スタッフがみんな優しいので、ついつい甘えて、悪いとは思うんだけどわがままが出ちゃう」などの声が院内いたる所で聞かれます。ともすればつらい病気を抱え、暗く、言葉少なになりがちな患者さんも、我々の病院に来た時だけは明るい笑顔がこぼれ、たくさん話をして、それまで抱えていたストレスを大いに発散して欲しいと願い、組織を運営していますが、今のところうまくいっているのではと感じています。
また私はいつも、まだ若く純粋な頃「医療機関で、困っている患者さんの為に働きたい!」と考えた時の、あの尊い気持ちを、スタッフ全員がいつまでも持ち続けられるような職場環境を提供することを心掛けています。理想論的な掛け声ばかりで、待遇が劣悪、いつも経費を切り詰める話ばかりでは、スタッフから自然にこぼれる笑顔は出て来ません。また患者さんに提供する医療レベルを高く維持し、快適な環境で治療が受けられるように、ハード面の充実も達成することで、スタッフ全員が自分の職場にプライドを持ち、やりがいを感じ、自然なスマイルが出て来るようになれば、当院を訪れた患者さんからも思わず笑顔がこぼれるものと信じています。
今後とも医師であると同時に、50人のスタッフとその家族、そして当院を選び通院していただいている患者さんの為に、戦略的な発想を持ってこの組織を運営し、我々の組織に関わる全ての人達からあふれるスマイルを引き出せたらと考えています。