12月になってしまいました
皆さんこんにちは。副院長の福です。
このところ、寒さがこたえるようになってきましたが、どうやらこれが平年並みらしいです。体調管理には十分にご注意ください。
さて、年末です。大掃除、年賀状書き、と忙しくなりますが、どうやってここを乗り切るか悩むところです。
今回は、今年気になった書籍を振り返ってみたいと思います。
一つ目は、昨年直木賞を受賞した、永井紗弥子さんの受賞第一作『きらん風月』です。絵も歌も戯作もこなした文化人、栗杖亭鬼卵と、寛政の改革で一度は天下人となった、元老中 松平定信との偶然の(?)邂逅。そしてそこで語られる、鬼卵誕生の物語と寛政の改革批判。結末は如何に?
二つ目は、荒俣宏さんの『福翁夢中伝(上、下)』です。福翁といえば言わずと知れた、慶應義塾の創始者、一万円札の福沢諭吉のことです。諭吉には『福翁自伝』という自伝がありますが、あの博覧強記の荒俣宏さんが、福沢諭吉の生涯を、SF的手法も交えて、より深くより面白く語っていきます。荒俣宏さんが慶応義塾大学の卒業生だとは知りませんでした。荒俣さんごめんなさい。
三つ目は、青山文平さんの、『父がしたこと』です。目付の永井繁彰は、小納戸頭取の父、元重から藩主の病状を告げられる。手術は向坂清庵という華岡流外科の名医に依頼されことになるが、向坂は繁彰の息,子、拡の命の恩人でもあった。藩主の手術に万一のことが起これば、向坂の立場は危うくなる。そこで元重は手術を隠密裏に行う計画をたてるが・・・・。手術は成功するのか?その後の向坂の運命は?そして、父、元重の取った行動は?最後に繁彰はどうしたのか?医師である向坂の態度には、現在の医師にも通じる素晴らし態度だと思いました。その後の、元重、繁彰親子の取った行動は・・・・。是非読んでください。
それではまた。