八月や六日九日十五日
皆さんこんにちは。副院長の福です。
雨のお蔭で、酷暑も一休みといったところですが、各地で大雨の被害が出ているようです。洪水、崖崩れには十分にお気を付けください。
さて、表題の俳句ですが、何のことかお分かりですね?
六日のヒロシマ、九日のナガサキ、十五日の天皇放送、ですね。
半藤一利さんの『戦争というもの』によると、この句は『八月や』を、『八月は』『八月の』『八月に』などと変えて、いろいろな人がつくっている句で、俳句の世界では有名な句だそうです。ところが、いま若い人にこの句を示しても、何ですかこの句は?これでも俳句なんですか? という顔をされる、そうです。
事程左様に、戦争の記憶が消えかかっているということでしょう。
半藤一利さんは、『日本のいちばん長い日』、『昭和史』などの著作を書かれた、昭和史研究の第一人者でしたが、惜しくも今年一月に亡くなりました。半藤さんは、自身も東京大空襲にあい、九死に一生を得る体験をしたそうです(『15歳の東京大空襲』)。戦争の記憶を持つ人が次々に亡くなり、戦争の記憶を生の声で聴く機会は、どんどん減っています。
私も、父や母にもっと戦争の事を聞いておけば良かったと、今更ながら思いますが、後の祭りです。ですから、皆さんも、周りに戦争の事を何かしら知っている人がいるなら、是非、今のうちにお話を聞いてみてください。
私は、せいぜい出来る事として、八月には戦争に何かしら関連のある書籍(ノンフィクションでも小説でも)を、毎年一冊は読むように心掛けています。今年は半藤さんの著作が多くなりそうですが、今手元には安部龍太郎さんの『特攻隊員と大刀洗飛行場』という作品があります。多くの歴史小説を書いてきた、直木賞作家の安部龍太郎さんが、太平洋戦争とどう向き合うのか興味があります。
皆さんんも、興味を持った分野から、いろいろ見つけてみてくださいね。それではまた。